× 第4章 【炎と烙印】 43 ×




 ミリアムを送り届けて後、広場に戻ろうとしていたイグネアだったが、製菓店を出てすぐのところで予期せず目的の人物を発見し、一瞬怯んだ。声をかけようか迷っているうちに向こうも気付いたらしく、少し意外そうな顔で近づいてくる。
「ど、どうも、こんばんは」
 いきなり他人行儀な挨拶を受けたヒュドールはというと、あからさまにムッとしていた。しばらくまともに顔も合わせなかったと思えば、何だそれは。全く腹立たしい。
「何していたんだ」
「ミリアムさんとマイルを送って来たのだ。おぬしは、なぜここにいるのだ?」
「俺は帰るところだ」
 ヒュドールの若干やつれ気味な表情を見れば、すっかり疲れているのだと一目瞭然だ。食の問題は改善されたとはいえ、ああいった催しが苦手な性格までそうそう変えられるわけがない。
 ちなみに彼は、あのいつも調子のいい青物屋のオヤジ(酔っ払い)に散々絡まれたあげく、終いには抱きつかれて別れを惜しまれて来た所である。男にしがみ付かれるなど心底気色悪いと思いつつも、一般人相手に攻撃するわけにもいかず、蹴り上げようする足を必死に堪えたほどだ。普段は容赦ないヒュドールにしては割と頑張った方である。
「アンタは戻るのか?」
 心中ではこのまま連れて帰ろうかと思うものの、これまでのアレコレを考慮すると、どうせ拒否されるか逃げられるだろうと考えると何とも癪なので、言いっぷりはさして興味もなさげだ。
 イグネアは迷った。ヒュドールが言うように広場に戻ろうとしていたのだが……この機を逃したらきっともう後はないに違いない。
「い、いやわしも、屋敷に帰ろうかと思っていた。だから、その、い、一緒に行っても良いだろうか……」
 真紅の瞳が自信なさげに見上げる。
 ヒュドールはうっと怯んだ。そういう捨てられそうな小動物系の眼差しで俺を見るな! と内心でほんのり焦りつつも、悟られぬように平静を装う。
「どうせ同じ場所に帰るんだから、わざわざ断る必要もないだろうが」
 一言「いいよ」と言えばいいものを。全く素直ではない。
 一方のイグネアはというと、言われてみれば確かにそうだと言葉に詰まった。
「……行くぞ」
 返事をする間もなくヒュドールがさっさと歩き出してしまったため、イグネアは慌てて追いかけた。怒っているのか歩調は速く、どうあっても緩みそうにない。製菓店から屋敷まではさほど距離がないため、うっかりすれば話しかける前に帰りついてしまう。
 それはまずい! という気持ちの表れか、イグネアは無意識に手を伸ばし、ヒュドールの袖をしっかりと掴んでいた。後方に引力を感じたヒュドールはというと、当然の事ながら怪訝そうに振り返る。
「その、もう少し、ゆっくり歩いてくれぬか?」
 意外な言葉に、青碧の瞳がわずかに見開かれた。何故いきなりこんなしおらしい事を言っているのだろうか、とうっかり気を取られたヒュドールはしばし無言で見下ろしていたのだが、イグネアが若干怯んでいる様を見て我に返った。というか、なぜコイツは俺に対してだけ怯えるのか(いつも怒るからである)。
「それならそうと、さっさと言えばいいだろう」
 などと言って、ヒュドールはふいっと顔を背けて再び歩き出す。
 もしやまた怒らせたか? と思うものの、先程より遅くなった歩調を見れば、そうではないのだとわかる。しかも袖を掴んでいた手は、いつの間にやらごく自然にやんわりと繋がれていた。
 先程まで広場で飲んでいたせいか、いつもは冷たいヒュドールの手が今はとても温かい。その熱が指先からじかに伝わって来て、妙に緊張してしまう。
 夜があまりにも静かすぎて、イグネアは話しかけるタイミングを計れずにいた。そうして気付けば屋敷の前まで帰り着いてしまい、大いに慌てた。もしかしたら誰か戻っているかもしれないし、中に入れば本当に後はない。そう思うと無意識に足は止まり、引き止めるようにヒュドールの手をぎゅっと握っていた。
「……ヒュドール」
 いつになく真剣な声で名を呼ぶと、些か不審げにヒュドールが振り返る。
 今言わなければ、と無理やりに気持ちを奮い立たせ、声を絞り出した。
「わ、わしは、ここに残りたいという事を、まずおぬしに話すべきだったのだ。だから、おぬしが怒るのも無理はない。しかし、私は、このまま話もせずにおぬしと離れるのは、い、嫌なのだ」
 青碧の瞳がじっと見ているとわかるが、緊張のあまり見返す事が出来ず、イグネアは情けなくも視線をさまよわせていた。
 しばし沈黙が漂う。
 掴んだ手を今さら引っ込める事も出来ず、イグネアは内心でひどく狼狽していた。とりあえず「当然だ」とか一言二言を文句を頂戴するだろうなと覚悟しつつ。
「……どうでもいいが、なぜいつも俺が怒っていると思うんだ」
 溜め息交じりで返された言葉に、イグネアはおろおろと顔を上げた。見上げた先には若干うんざりした表情があった。
「お、怒っていないのか?」
「確かに一言相談があってもいいとは思ったが……別に腹を立てる事じゃないだろう。アンタがようやく人並みの心を持ったと思えば、大いに遅過ぎるがその成長ぶりを喜んでやるしかない。もっとも、残りたいという理由が彼女のためでなかったら、怒るどころじゃ済まなかったがな」
「へ?」
「それこそ、捕獲、いや捕縛して引きずってでも連れて帰ろうとした」
 その光景を想像してみると、なかなかに壮絶で一瞬怯む。しかも嬉々としてやりそうで怖い。
 イグネアがミリアムのために残りたがっているからこそ、ヒュドールは何も言わないのだ。その理由を考えてみれば、いかに鈍感なイグネアとてそろそろ気付く。
 そして気付いてしまうと、今度は別な意味で緊張し出した。怒っていないのは良しとして、本当に話さなければいけないのは、そんな事ではない。
 何と言っていいのかわからず、イグネアは無言で俯いた。無言ながらも脳内はフル回転で、心臓は破裂するのではないかというほどに激しく鼓動している。頭の中では先程のミリアムの言葉が繰り返され、気ばかりが急く。
 未だかつて、こんなに緊張したことがあっただろうか。ベルルム大戦後の裁判前でさえ、こんな風にはならなかったはずだ。
「う……あの、ヒュドール」
「何だ」
 呼んだはいいが、次の言葉が何も浮かばない。
 言いたい事は決まっているのに。その一言を発するだけなのに。どうしてこんなに緊張するのか。
 答えは簡単、意識しているからだ。ヒュドールに対して他の誰とも違う特別な想いを抱いているから、言ってしまえばこの一言が冗談では済まされなくなるから。だから慎重になってしまうのだ。
 思い返せば、油断させるためとはいえ頑なに護っていたものを許した時点で、その想いは生まれていたのだ。口付けして以来まともに顔を合わせられなかったのも、いちいち緊張するのも、仲違いしたまま離れるのが嫌だったのも、全てはそこにある。
 どうして以前「好きだ」と言われた時に気付けなかったのだろうかと己を恨んだ。むしろあの時気づいていれば、こんな重労働にはならなかったのに。
 これまで平然とやり過ごせていた事が、この気持ちのせいで上手くいかなくなっている。いっそ殺してくれと言いたくなるほどに息が詰まる。
「あの、その……」
「だから、何だ? 他に用がないならさっさと入るぞ」
 はっきりしないイグネアに若干苛立ってきたのか、ヒュドールの口調がわずかにきつくなる。寒いんだからとか言いつつさっさと身をひるがえし、屋敷の入口まで向かってゆく。
「ま、待ってくれ!」
 このままではいかん! という焦りが爆発的かつ突発的で大胆な行動を起こさせた。呼び声に再度振り返ったヒュドールの手をぐいっと引き、距離が近づいた所で空いた手が肩に流れていた白銀の髪を引っ張った。そうなれば当然、ヒュドールの身体は引力に従って前傾するわけで。なんだか前にも似たような体勢になったわけで。
 視線が同じ高さにまで来ると、イグネアは恐る恐る口を開いた。
「ち、違うのだ。そうではなくて……その、本当に話したかったのは、そんなことではなくて……」
 間近に迫った青碧の視線を全面的に受け、イグネアは瞳を伏せた。まともに視線を合わせられる状況というか、心境ではない。
「必ず、帰るからと、そう言いたくて……」
 頭で考えるよりも先に心が急き、自分でもわからない行動をしてしまっている。この口が吐き出す言葉さえ、まるで誰かに言わされているような感じだ。
「それで、その……そう、あ、証が欲しいと、言っていただろう。だからその……」
 おいおい何を言っているんだ自分! というか言わなきゃならんのはそれじゃないだろう! と心の片隅で己に突っ込みを入れつつも身体が勝手に動き出し、イグネアはふっと顔を寄せた。緊張なのか羞恥なのか、激しい動悸と共に手が震える。頭どころか全身真っ白な中で、頬だけが異様に熱い。こんなことは未だかつて体験したこともない。

 あと一歩踏み込めば確実に唇が触れるだろう際で。「ふっ」というか、むしろ「ぶっ」という勢いで息が洩れ、イグネアははっと視線を上げた。見上げた先で信じ難いものを見つけ、真紅の瞳は思い切り見開かれる。
 なんと、あの白銀の鬼神・ヒュドールが笑っていたのだ。と言っても完全に破顔しているのではなく、笑い出しそうになるのを微妙に堪えているのだが。
 いやいやそれより何より。なぜこの場面で笑うのか!
「な、な、なぜ笑うのだっ!」
 おかげでよりいっそう羞恥心が募り、イグネアはかーっと赤くなった。
「いや……悪い」
 と、ヒュドールにしては歯切れ悪く、しかも割合素直に謝罪した。笑うつもりは毛頭無かったのだが、何というかその必死ぶりが……予想外、かつ意外と可愛く思えてしまったのである。あの、何を言ってもやっても飄々としていた小娘が、真っ赤になって狼狽しているだけですこぶる新鮮だ。
 一方イグネアはというと、一瞬にして気が抜けてしまい、絶句して俯いていた。気力だけで乗り切ろうとしていたのが自分でもよくわかる。ともすれば足から力が抜けて倒れそうだ。
 ふらりとよろめくと、強く握っていたはずの手がするりと抜け、肩に添えられた。白銀の髪を掴んでいた手は温もりに包まれる。
「アンタの気持ちは、とりあえずわかった。相変わらずはっきりしないのは大いに苛立たしいが、その決定的な一言は、次に会う時に聞かせてもらう事にする。だから……」
 青碧の瞳が、捉え切れないほどに近づく。必ず戻って来い、とささやいた唇は、今度こそ逃れる隙を与えずイグネアのそれに優しく触れた。
 真紅の瞳が大きく見開かれる。あっという間の短い口付けだったけれど、柔らかな感触と自分のものではない熱は確かに唇に残った。前回はそんな事を考えている余裕は全く微塵もなかったが……こうして改めてやってみると、猛烈に気恥かしいものである。頬が、灼熱もびっくりなほど熱くて仕方ない。
「イグネア」
 名を呼ばれ、イグネアはどきりとした。今までアンタとか貴様とか言われた事はあったが、こうして名を呼んでくれたのは、たぶん出会って初めてだ。
 だからだろうか。自分の名ではないような、そんなおかしな気分にさえなってくる。何というか非常にこそばゆく、それすらも気恥かしい。
「俺以外の奴に、許すなよ」
 青碧の瞳が穏やかに笑んだ。今まで不敵なそれや嘲るそれは何度も見たが、こうして純粋に笑う様は正直言って初めてで、素直に面食らった。美形の笑顔は時に武器で、ある意味凶器だとリヒトを見てよく思ったものだが、それはヒュドールにも当てはまるのだと思い知らされた。むしろ、普段笑わない分こちらの方が断然破壊的である。
「ひっ、卑怯だぞ」
「は? 何がだ」
「う……わ、笑うと、意外と可愛いではないか」
 言いながら、イグネアはまたしても俯いた。何だろうか、自分でもわからないほど気弱になっている。まともに目を合わせることができない。
 そんな感じでひたすらおろおろしていると。ヒュドールの腕が背に回り、緩やかに抱えられた。
「安心しろ、俺の笑顔もアンタ限定だ。というか、男に対して“可愛い”は全く褒め言葉になっていない。そして“意外と”は余計だ」
 さらりとキツイ事を言いつつ、ほんのりムッとしつつ、ヒュドールは抱える腕に力を込めた。こうしているとますます置いて行くのが嫌になって来るのだが、一度許した事を蒸し返すような、そんな男らしからぬ事はしたくない。心底不安ではあるが、ここは信じてやろうと心に決めた(あくまで上から目線)。
 何度か同じように抱きしめられたことはあったが、己の心持ひとつで感覚も変わるのだと、イグネアは思った。与えられる温もりにひどく緊張するけれど、どこか安堵している自分がいる。
 もしもこの不可解で不思議な気持ちを、“恋”と呼んでよいのなら――
「私は、おぬしのことが…………す、すす、好き?………………かもしれない」
 イグネア的にはかなり意を決した告白だったのだが。
 ぼそりと呟かれた途端、ヒュドールの頬があからさまに引きつった。
「ここまでしておいてなぜ疑問符が付く! そのうえ“かもしれない”とは何だ!」
「なっ、なぜ怒るのだ!」
「いい加減、はっきりしろ!」
「ひいいい!」
 いきなり怒り出したヒュドールに、イグネアは大いに怯んだ。
 甘い雰囲気も何処へやら。
 結局、最後はこうなるのである。







 翌朝、まだ町は目覚めない時候。
 いよいよリトスを発つことになった美形共を見送るため、屋敷の住人たち一同が顔を揃えていた。今日は珍しくモルもいたりする。オンブルに至っては半分寝ているが。
 ちなみにイシェは屋敷の中で就寝中だ。なぜかというと、朝っぱらから、しかも外であの鳴き声は非常に近所迷惑だ、と満場一致で決定したからである。
 海と山に囲まれた町の朝はとても寒いけれど、朝日の眩しさといったら格別でとても清々しく、美形共にとっても良き思い出となるだろう。
「邪魔者が消えて清々するのう。後の事は全てわしに任せ、早々に帰るがいい。そして二度と来るな」
 挑戦的な笑みを飛ばしながら、リーフが言えば。
「貴様の顔を見なくて済むかと思うと万々歳だ。未来永劫会いたくないと心底思うが、【誓約】は果たしてもらわなければな。それまでの数か月、貴様のいない世界を満喫する事にしよう」
 不敵な笑みでヒュドールが応戦する。
 そうなると当然というか何というか、見えない火花が散るわけで。最後の最後まで、しかもこんな朝っぱらから、二人は壮絶な舌戦を繰り広げていた。
 この寒さの中、よくもまああそこまで舌が回るものだと感心しつつ、イグネアは苦笑していた。すっかり見慣れたこの光景も、しばらく見られないのかと思うとやはり寂しい。
「全くあいつらは……こんな時くらい、仲良くできないのかな」
 隣のリヒトも同意見らしく、困ったように笑って肩をすくめていた。言っても無駄だろうけど、と完全に諦めた様子である。
 まだまだ収まりそうにない舌戦を眺めていると、ふいに視線を感じ、イグネアは顔を上げた。朝日を受けていつになく輝く黄金の瞳がじっと見下ろしていた。
「また会えるとはいえ、君と離れるのはとても寂しいよ」
「私もです」
 その純粋な答えに、リヒトは笑顔を浮かべた。
「待ってるから、必ず帰っておいで」
「はい」
「約束ね」
 もう一度返事をしようとして口を開きかけた、その時。
 リヒトの指が顎に触れたかと思うと、そのまま仰向けさせられ。あっと思う間もなく、抵抗する隙も与えられず。
 なんと口付けられた。しかも、見事唇に。
「……っ??!!」
 イグネアが絶句して石化したのは言うまでもない。
 そんな彼女に、女泣かせの嬌笑が向けられた。
「俺が諦めたとでも思った? 残念だけど、このままあっさりヒュドールに渡すほど、俺の心は広くなみたい。次に会った時は本気で容赦しないから、覚悟しておいてね」
 ばちっと飛ばされたウインクが止めの一撃となり、イグネアは大いによろめいた。“許すな”と言われたばかりだというのに、なんだこの展開は。まるで新婚早々浮気している嫁のようではないか……! と心中で激しい自己嫌悪に陥る。いやむしろ、これでは嫁に行けないやも、とか何とか考えていた。
 それを見て不愉快最高潮に達したのは、当然というべきかヒュドールである。怒りに燃える青碧の瞳をギラリと輝かせ、なんとリヒトめがけて本気で魔術を食らわせやがった。

来たれ、氷の矢ライ・ジェロ・ヴェロス!」

 離れろと言わんばかりに、イグネアとリヒトの間に無数の矢が降り注ぐ。(当然)射殺す勢いで降って来た矢をリヒトは軽やかにかわし、衝撃でよろけていたイグネアは傍にいたモルがさっさと救っていた。ちなみにモルに関しては、イグネアに触ろうと何だろうと問題にされないらしい。
 世界すらも破壊させるであろう怒りをまとい、鬼神と化したヒュドールは、こめかみに明らかな怒りの刻印を浮かべてリヒトを睨みつけた。
「貴様、一体どういうつもりだッ!」
「どうもこうも、イグネアは別にお前のものになったわけでもないだろ? お前こそ俺を甘く見ない方がいいよ。人妻だろうが何だろうが、本気になった相手は意地でも落とす」
 リヒトの余裕かつ爽やかな笑みに、ヒュドールの理性がブチッと切れそうになった時。
 それまで無風だった場に、突然風が吹き荒れた。砂塵を巻き上げて唸る風は衣服をはためかせ、髪を乱し、挙げ句の果てに――
「ぬおっ?!」
 半分寝ていたオンブルは見事に吹き飛ばされ、ゴロゴロと向こうの方へ転がって行った。
 この、明らかに人為的な暴風はもちろんリーフの仕業である。小僧共に先を越された彼の怒りは、白銀の鬼神をも凌駕し。
「この悪餓鬼共め! さっさと消えてしまえ!」
 その日、リトスには季節外れの台風がやって来た。
 結果再三の舌戦を繰り広げた後、美形共は若干渋々、暴風に背を押される勢いでリトスを発った。リーフはというと、その後しばらくの間相当不機嫌で、イグネアは今後の生活に大いなる不安を抱えたのである。

 さて、イグネアとリーフがスペリオルに帰るのはこれより半年後となるが、不思議な事にそれまでの間、イグネアは特に身の危険も感じず平穏に過ごしたのである。何度か危機的場面に陥ったものの、その都度どこからか湧いて出たモルと、そしてイグネアに懐いているイシェが邪魔をし、結果救われまくっていた。
 その裏で、実は美形共がこの時ばかりは共謀し、相場を上回る金を確約してモルに新たな“契約”を結ばせたことは、さすがのリーフさえ見抜けなかったらしい。





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